こんにちは、かたせうみです。
「雇用保険の手続きをして、もしも一度も支給されずに就職したらどうなるの?」という話をされることがあります。
また、「手続きをしたら、支給を受けなくても雇用保険を貰ったことになって、加入期間はリセットされる。」。
という話を見かけました。
いやいやいや・・、違いますよ!
雇用保険は、手続きをしても支給がなければ、加入期間は通算されます。
今日はそんなお話の記事です。
まずは、「雇用保険の資格」について簡単に説明します。
この後の説明で「資格がある」や「資格がつく」という言葉が出ますが、これは、雇用保険を受給できる資格があるという意味です。
雇用保険の資格とは
✔ 雇用保険は、基本的に12か月以上掛けていなければ受給できません。
✔ 倒産や解雇、特定の理由で退職した場合は、6か月で受給が出来ることもあります。
✔ 雇用保険が受給できる状態の事を「資格がつく」と言います。
※ 長期の欠勤等がないことが前提。一か月に11日以上働いていないと、その月は算定できません。
雇用保険加入期間を通算できる場合と通算できない場合
お仕事が始まると雇用保険がかかりますが、途中で退職して保険を受給したり、退職後手続きしないで放置していると、掛けていた期間がリセットされることがあります。
雇用保険が通算できない場合
① 離職後、雇用保険や再就職手当等を受給した場合。
② 退職後1年以内に再度雇用保険がかからなかった場合。
(この場合は、かけていた期間が消滅するイメージです。)
① 雇用保険や手当等を受給した場合の例
仕事を辞めて、すぐに保険の手続き。
その後、失業給付を貰いながら再就職した場合・・。
この場合は、雇用保険を一度受給しているので、手続きした分の加入期間はリセットされ、転職先では加入0か月からスタートします。
② 退職後、次に雇用保険がかかるまで1年以上空いた場合の例
退職後、すぐに転職するつもりで雇用保険の手続きをしないまま1年経ってしまった場合や、手続きを忘れて1年経った場合。
また、手続きしたものの、そのまま放置して1年経ってしまった場合は、雇用保険の加入期間はリセットされ、転職先では加入0か月からスタートします。
反対に、離転職をしても、雇用保険の加入期間が通算できる場合もあります 。
雇用保険が通算できる場合
① 退職後、手続きしないで1年以内に転職できた場合。
② 雇用保険の手続きをしても、支給前に転職した場合で、再就職手当等の手当ても受けていない場合。
① 退職後、手続きしないで1年以内に転職できた場合の例(要保険加入)
退職後、雇用保険の手続きをせずに、1年以内に別の会社で雇用保険がかかった場合は、保険の加入期間が通算されます。
② 雇用保険の手続きをしても、支給前に転職した場合で、再就職手当等の手当ても受けていない場合の例
雇用保険の手続きをしても、1度も失業給付を受け取っていない場合は、加入期間が通算されます。
ただし、1点気をつけなければならないことがあります。
それは、以下で説明します。
受給の満了日に気を付けて !
雇用保険の手続きをしても、受給しなければ加入期間は通算されると書きました。
でもこれは、転職先で雇用保険の資格がついた場合です。
転職先で12か月働けば新たな保険の資格がつきます。
仮に倒産や特定の雇止めに遭ってしまった場合は、6か月で資格がつきます。
この場合は、雇用保険の通算が可能ですし、新しくついた資格の方で手続きができますから何の問題もありません。
しかし、以下の場合はちょっと気を付けなければなりません。
雇用保険は一度手続きをすると、手続きをした分の保険に「受給満了日」というものが設定されます。
(受給満了日は、支給期間が300日以内であれば、退職日の翌日から1年です。300日の場合は、1年+30日となります。)
〇 受給満了日とは、手続きした保険を受給できる期限の事を言います。
〇 雇用保険の日数が余っていても、満了日を過ぎると残りは消えてしまいます。
雇用保険手続後、再就職先が合わなくて辞めたとしても、雇用保険の日数が余っていれば、残りの日数を貰う手続きをする事ができます。
受給せずに転職先で1年働けば、新たな資格がつくので受給の満了日は関係ありません。
だけど、保険手続きをした後転職したものの、10か月くらいで辞めてしまった場合、転職先での保険資格がつかないうえに、受給満了日が迫り、沢山あった保険の日数のほとんどを逃してしまう事があります。
運が悪いパターンは、上記のような事が考えられます。
でも、損をしてしまう場合は本当にレアパターンなんです。
以前にも書きましたが、私の考えは「雇用保険は退職した時点で手続きした方が、絶対にいい」です。
その理由は、こちらの記事で書いています。↓
雇用保険は、かけてきた金額に比べて、貰える金額の方がはるかに高い保険です。
でも、ケースバイケースという事もありますから、不明な点はどんどんハローワークに聞いてください。
具体的な聞き方をすれば、分かりやすい答えが返ってきますので、面倒がらずに聞いてみて下さいね。
それではまた。