前回の続き。
いよいよ、IgA腎症なのか違う病気なのか、腎臓病の診断をつける、「腎生検」のための入院日当日。
当日の様子や入院計画は前回記事となり、今回はほぼお見舞い日記と、栄養相談の話題となります。
これまでの記録はこちら↓から
一個前の記事はこちら↓から
入院2日目、腎生検当日。娘の機嫌がめちゃくちゃ悪い!腎生検は・・、ちょっと痛かった?
腎生検当日。
ネットで他の病院の入院スケジュールを調べてみたら、術中は院内待機や付き添いを求められる所が多かったのだけれど、この病院では、腎生検での付き添いや院内待機は不要で、通常の面会時間に来てくださいと言われた。
・・ので、午後2時過ぎに病院到着。
娘はベッドに横たわっていた。
術着みたいなのを着せられている。
・・・。
調子はどう??
・・・・・。
( ̄^ ̄)
何やら、すっごく機嫌が悪い。
検査の様子を聞いても、無視。
ベッドの脇には尿袋があり、管が布団の中まで延びている。
朝一番で導尿が行われたみたいだ(うら若き身空で導尿・・、かわいそうに・・)。
そしてちょっとびっくりしたんだけれど、尿袋に溜まった尿は、かなり赤い。
この病院にかかった時には、娘は既に肉眼的血尿だったけど、思いの外、血尿は赤かった。
真っ赤じゃないけど、赤かった(程度が上がると、コーラみたいな茶色い色になるらしいが、娘のは何ていうか、トロピカルドリンクのグラデーションみたいな色だった)。
こんなに赤いのに、毎日見てると分からないものなのかな・・。
午後3時には既に、仰向けの3時間は終了しているようで、軽く腰にクッションが添えられて、ほんの少しだけ横に角度がついている状態で、娘は寝そべっていた。
で、ベッド上に食べ終わった食事のトレイが置いてある。
検査後は寝たまま食事をするんだけど、何とか全部食べたようだ。
食べ終わった後の食器を下げ、飲み物にストローを差したりしながら、検査の様子を聞いてみたけど、終始仏頂面で、なかなか教えてくれない。
仕方ないので、持って来た漫画でも読んでいようと付き添い用の椅子に座る。
ほんと機嫌悪いなぁ・・。
動けないから、取りたいものを取って欲しい時ぐらいしかこっちにアクションしてこないし、しまいには、「ママ、いつまでいるの??!」とまで言われた・・。
ショック。
一応、夕食時の娘はまだ起きられないので、食事の介助してから帰ろうかなと思ってると言うと、「自分で食べられるから要らない。」と言われ、さらにショック・・。
面会時間ピッタリに来なかったのがお気に召さなかったのか??
そうこうしているうちに、主治医のA先生が様子を見にきた。
どう〜??
大丈夫??痛くない??
大丈夫ですっっっ(`・ω・´)キリッ
さっきまでブスッとしていて寡黙だったのに、急に挑戦的な娘の反応。
アドレナリンでも出てんのか??
ご飯も全部食べられた??
全部食べましたっっ( ̄^ ̄)!
もはや、挑戦的と言うよりは、軍隊のような娘の対応。
何じゃこりゃw。
この日私は先生が来てからすぐに帰ったんだけど、入院4日目くらいにやっと娘は、検査時のことを話してくれた(機嫌が良くなったらしい)。
検査前に、筋肉をリラックスさせると言われ、肩に注射を打たれたが、すごく痛くてリラックスのリの字も感じなかったこと(娘は成人しているのに、注射がすごく苦手なのだ。しかもその注射、筋弛緩剤とかで、決して向精神薬とかじゃないと思うよ)。
処置室まで歩いて行けるか聞かれたけれど、導尿で繋がってるのに、歩けるわけねーじゃねーかと思ったこと(ベッド移動をしたらしい)。
検査の時、医師や看護師がベッドまで迎えに来てくれるのだけれど、カーテンを開けた瞬間、人だかりだった。
注目を浴びて一体何事かと思い、ビビったこと(大学病院なので、多分学生・・かな?)
腎生検中はうつ伏せで、周囲の状況や検査の様子などは分からないが、「少しづつ麻酔を広げていくからね」などと事細かく実況され、いらん想像力が働いて、怖かった・・。
など。
実際の検査は滞りなく終了したらしく、注射の痛みの方が、検査の痛みよりも痛かったらしい。
検査の跡も、1センチくらいで、「猫にかじられたの??」くらいの傷跡で、生々しいとかはなかった。
帰り際、初日にも来た研修医がやってきて、やっぱりA先生と同じ質問をして、必死にメモして帰って行った。
頑張れ研修医。
また、食器を下げにきた看護師からは、明日の朝食が全部食べられれば、点滴も導尿も抜けるからね、と元気づけられる。
体温は37度6分の微熱。
傷は小さいけれど、やっぱり熱が出るようだ。
この熱は、4日目くらいまで続いた。
それと、栄養士さんがやってきた。
入院中に、退院後の栄養指導を行うとのことで、日程決め。
これも、家族や、炊事を行う人間の同席を求める病院が多いらしいが、特に同席は求めらなかった(というか、私は若干透明人間状態。娘が一人暮らしで成人済だからか?)。
しかし、そこに割り込み、同席の意志を伝え、私も張り切って同席することにしたのであった。
入院4日目。栄養士さんより、栄養指導を受ける
入院4日目。
今日は、栄養士さんから、退院後の食事や生活などについて指導を受ける日なので、約束の時間きっちりに、娘の病室へ向かう。
あれ??
3日目は??
と思ったあなた、鋭いw。
入院3日目は生検翌日にも関わらず、昼も夜も地元の友人との会合があり、娘のお見舞いには行けませんでした。
こんな日もあるって事で、娘はさほど気にしていないようでしたが、先生には会いたかったなぁ・・。
病室へ行くと、生検当日と打って変わって、機嫌の良くなった娘。
点滴も導尿も抜けていて、ゲーム三昧の娘はリラックス中。
寝返りも自由に打てるようだ。
生検後の痛みについては、事前に先生からも「心配するほどではない。」と聞かされていた。
実際娘も、痛み止めなども処方されず、投薬などもなかった。
さて、時間となり、栄養士さんが病室へ迎えにきてくれ、面談室へ移動。
実は私、妊娠中に体重増加した時も、健康診断で引っかかった時も、面倒くさくて、栄養士の指導は希望しなかった。
まぁ、栄養の事くらいは分かるしな・・とも思っていた。
所が、実際に栄養士の指導を受けて話を聞いてみると、意外や意外、すごく勉強になったし、面白かった。
生活に密着している話題なせいか、どんどん興味が湧いてくる。
そして、自分たちが如何に、塩分過多の生活をしていたのかがよく分かった。
特に、酒飲みの私などは怖いくらいの摂取量で、かなりショックを受けた。
もうダメだ〜〜〜!!
もうダメだぁ〜〜〜!
最近は、熱中症対策に塩分タブレットなども販売されているし、一部健康マニアオタク自然派界隈では、「塩分を制限するから病気になる」という逆張り説や、良い塩を溶かした水を飲む健康法なども定着しつつある。
これはこれでいろいろな考え方があると思うんだけど、実際、「何にどれくらい塩分が含まれていて、どれくらい自分が食べているのか」を鑑みると、外食やコンビニご飯を気にせず食べる食生活では、どうやったって、塩分過多なのだ。
一般的には、1日の塩分摂取量は、7グラム程度が適正とされており、腎臓病食の場合は、6グラムが推奨とされています。
で、「塩分7グラム推奨はデマ!減塩なんて嘘!国はデマを流している」という、民間療法至上主義の人用に、これを倍にした14グラムの摂取でも健康!!と仮定します。
そして、実際に、ラーメンやチャーハン、漬物や塩辛、お酒に合うアンチョビや塩の効いたポテトフライなどを、気にせず楽しむとしましょう。
ざっくり計算しても、塩分20グラムくらいは、ゆうに摂取しちゃってるんですよ・・。
怖いですね。
だいたい、コンビニのご飯に「ぬち◯ーす(沖縄のとても高くて良いお塩。しかも美味しい)」なんて、絶対使っていないだろう。
最近浮腫みやすくなったのは、お酒のせいだけではなかったんだな・・。
あと、塩分摂取健康法に文句を言うつもりはないけれど、腎機能が落ちてしまった場合は、民間療法だけに縋ってないで、医者の言う通り、素直に塩分やタンパク質を制限した生活をした方がいいと思うよ。
排出されなくなった塩分は、確実に血圧を上げる。
でも、やっぱり気になるので、昨今もてはやされている塩分タブレットの摂取や、低塩分生活での、熱中症の危険性などについて、ちょっと栄養士さんには聞いてみた。
通常、普段の食生活で塩分が足りなくなることはありません。
また、汗ばむくらいの量なら、汗をかいたとしても、塩分タブレットは必要ありません。
でも、炎天下での肉体労働や、部活動などで大量の汗をかく場合は、少し補給した方がいいかもしれませんね。
と言うことで、想像通りの模範解答ではあったが、夏に実家に帰った時、娘の部屋の掃除やクーラーの効いていない実家の台所での調理、自転車での移動などなどで、サウナでもこんなに汗が出ないよっ!ってくらい、尋常ではない汗をかいたので、本州の夏の場合は、一時的に塩分が不足することもあり得るので、汗の量に応じて、梅干しとかで適宜塩分の補給をした方がいいかもしれないね。
減塩といえば、今は減塩調味料もたくさん出ている。
でも、そういったものは大抵味が薄く、たくさんの量を使ってしまいがちなので、結果的に塩分過多となり、本末転倒の場合もあるので注意が必要とのこと(これって確か中学の家庭科で習った!)。
それよりも、醤油などの調味料は、「かける」よりも「つける」を意識してほしいとのこと。
例えば、丼やサラダなど、上から醤油やドレッシングをかける場合、かけすぎて下の方に溜まってたりしますよね。
そうではなくて、お刺身丼などなら、わさび醤油を上からかけるのではなく、お刺身1枚づつを取って、醤油をつけて食べる方法で食せば、過剰な塩分摂取の防止にもなるとのこと。
これからは、「かける」より、「つける!」ですよ〜!
また、腎臓といえばタンパク制限だが、それについてはまず、なぜ腎臓病の場合にタンパク質を制限しなければならないのか、腎臓と心臓の密接な関係、それに、塩分の摂りすぎがどのような影響を与えるのか、などの説明が先にされる。
要するに、腎機能が落ちてくると、タンパク質を代謝した時に出る毒素の排出が上手くできなくなるのに、そこへたくさんのタンパク質が持ち込まれると、頑張りすぎた腎臓が過労死してしまう的な話だ(本当はもっと複雑よ)。
まぁ、腎臓の負担を軽減するために、タンパク質を制限しましょうと言うことで、栄養士は、魚の切り身とかステーキとかの模型を用いて、制限する量などを具体的に教えてくれた。
もしかして、プロテインとかもってのほかですか??!
単純に興味。
私はバレエをやっているので、レッスン後にプロテインを飲んだり、置き換えなどをしているから。
因みに娘はプロテインは飲まない。
完全に自分の話で、しかも、私は腎臓悪くない・・。
でも聞いてみたかった。
う〜ん、一食をプロテインに置き換えるくらいならいいのですが、通常の食事をして、さらにプロテインを飲むとか、運動後にプロテインを追加で摂取、などは、過剰摂取となりますね(あくまでも腎臓機能が落ちている人の場合です)
プロテイン、タンパク質の塊だと思っていたけど、全くダメなわけではなかった・・。
腎臓病の食事制限は、一般的には必要で、たくさん摂取した方が良いとされているものや、健康に良いとされている栄養素にも制限がかかる。
何の知識もなく極端な食事制限をすると、健常者なら、健康を害するレベルとなるのだ。
タンパク質も、良くないからといって、全く摂取しないと摂取カロリーが不足してしまい、体内の筋肉(これも立派な体内のタンパク質)を代謝させてしまうので返って良くないらしいし、栄養失調となり得る場合もある。
と言うことであったが、私にはもう一つ、気になる栄養素があった。
それは「カリウム」だ。
カリウムは、スイカやキュウリなどに含まれ、体内の塩分を排出する働きがあるので、むくみ防止などにも効果があり、美容界隈では神ミネラルのような存在だ。
私も、むくみを減らすため、積極的にカリウムを摂っているし、塩分を排出してくれるミネラルが悪影響をもたらすとは、矛盾している気もするが・・・。
お嬢さんの場合、カリウム値は高くないので気にしなくても大丈夫ですが、サプリなどで摂取するのは避けてください。
野菜を食べるときは、茹でこぼすなどをすると、カリウムが流れ出て、摂取量をコントロールできます。
腎臓病になると、体内のカリウムも排泄されなくなる。
血中カリウムが高くなると、最悪、高カリウム血症になってしまう事もある。
との事だが、どうしても気になって、聞いてみた。
あの、私は塩分が排出されるとか、むくみが取れるとかで、せっせとカリウムがたくさん含まれる野菜や果物を食べているんですが・・。
本当は良くないんですか??
・・・・。
健康体の方は全く関係ありません!
と言われ、後から娘に「訳わかんないこと聞かないで。」と怒られた・・。
カリウムは、体内の塩分量を調整し、塩分過多の場合は、塩分を尿と一緒に排出してくれるが、腎臓が悪くなるとまず濾過や排泄ができなくなるので、血液中に色々と溜まってしまう。
だから、健康なら良いとされているものも、制限が必要になってくるのだ・・。
と言うのは、知っていたつもりでも、改めて話を聞くと目から鱗が落ちるばかり。
で、栄養士さんは、本や模型などを駆使して分かりやすく説明してくれるのだが、教材として使っている本が、とても面白かった。
この本は、写真がメインで、何にどのくらいの量の塩分が含まれているのかなどが、一目でわかるようになっている上、いつも使っている、あの市販品の塩分量まで載っていた。
今や塩分量の表記は決まりごとであり、製品を見れば載っているんだけど、1冊にまとまっているのはすごく見やすい。
娘と「ほ〜!!」と言いながら読ませてもらったが、調味料の中ではマヨネーズの塩分が低く、意外であった。
(しかし、カロリー・・)
この本、見やすくて面白いですね!
と言うと、院内のブックセンターに同じものが売っているとのことで、早速レシピ本と一緒に購入。
初めての一冊に、すごくお勧めです。
栄養指導は1時間程度で終わったが、とても有意義な時間のように思えた。
娘と「面白かったね」などと言いつつ、病室へ戻る。
病室へ戻ると、特に会話もないのだけれど、私は気づいてしまった。
病室でPCをやると、すごく仕事が捗るのだ。
静かな環境、少ないノイズ。
ブログ書くのに最適〜〜!
という事で、後半へ続く。
後半は、医師の話と、難病申請についてソーシャルワーカーさんと面談したりって感じです。
それではまた。