こんにちは。
先日、高齢の母が認知症や痴呆、著しい筋力低下の様な諸症状が出た為、受診した所、何と脳腫瘍でした。
脳に異常が起きると、色々な違和感が出てきます。
ただ、高齢のため、年齢による衰えや認知の低下などと区別がつきづらく、歳のせいと諦めて、受診が遅れたことも事実です。
この記事では、母の様子の変化や、手術までの課程などを記録しています。
どなたかの参考になれば幸いです。
因みに、母の腫瘍は良性の髄膜種であり、脳を覆っている膜の様なものがコブの様に肥大化し、脳を圧迫。
付近の脳に炎症が及んだ為、記憶の障害、半身のマヒなどが起こったものです。
悪性の場合は、激しい頭痛が伴うとも聞いたことがあります。
様子が変だなとか、思い当たる節があれば、早急に受診する事をお勧めします。
初めての変化は、25年前。頭痛と食事
実は、母が脳腫瘍を患ったのは、初めてではありません。
2回目です。
1回目の発症は、丁度、私が結婚し家を出て、同居していた祖母が亡くなった頃。
私は、今は北海道に住んでいるのですが、家を出たばかりの頃、父と母は揃って数回北海道旅行に来たことがあります。
父の定年は目前で、2人はよく旅行に行っている様でした。
そんな旅行の一コマで、札幌でおち合ったのですが、何となく母の足下が覚束ない。
一緒に食事をしていても、口からよく食べ物をこぼしてしまう。
そんな有様でした。
父は『だらしないなぁ・・』くらいのイメージで、注意しつつ眺めているだけ。
足下が不安な母は
最近病院に行っているんだけど、ママ(恥ずかしながら、我が家ママ呼びなのだ)骨粗しょう症なの・・(´・ω・`)
と言っていました。
どうやら、更年期で病院に通っていて、医者からそう言われた様でした。
身体も、浮腫みというか、急激にふくよかになっており、ここで私は、娘が家を出た事や、苦労していた祖母(母からは姑、母とはすごく折り合いが悪かった)が亡くなったことなどが重なって、気が抜けた母のボケが始まったのかなと思いました。
夫も、その時に母の異変に気づいていた様ですが、年齢に伴う衰えだと、特に何かしようと言うことにはなりませんでした。
その後、そんな事は忘れて過ごしていましたが、数ヶ月のうちに私は用事があり、実家に戻ります。当時、母はよく「頭が痛い」と言っては横になっていました。
更年期によるホルモン療法が合わないと感じていた様です。
その後すぐに脳腫瘍の診断が下りたが、意外なタイミング
そして、程なくして私は北海道に戻りましたが、すぐに、父から一本の電話が入りました。
「ママが来週、入院して、手術する事になったから。」
え?
どう言う事?
病名を聞くと、『脳腫瘍』との事。
ああ、あのおかしな感じは、若年性のアルツハイマーとか、認知症などではなく、脳腫瘍だったのだと、心配ではあるけど、私はその時、妙に腑に落ちたのでした。
生命保険の健康診断で、脳腫瘍と判明
さて、何故母に脳腫瘍の診断が下りたのか。
それは、意外なタイミングでした。
母は、お付き合いも兼ねて、新しい保険に入ろうとしていました。
新たに保険に入るには、簡単な健康診断が必要です。(今は知らないけど)
で、母の目つきや様子を見て、出張していた医師が、自分の病院で精密検査を受ける様指示したのです。
その後、手術の説明などが医師からありましたが、家族は誰も気づかなかったのか?と問われました。
私は、ちょっと変だと思っていたが、年齢のせいなのかと思った事や、更年期で婦人科に通っていた事などを説明しましたが、医師は、「うーん、婦人科じゃちょっと分からないか・・。」とポロリと漏らしていました。
当時母は50代後半。
腫瘍は良性。
緊急性が無かったため、手術は1ヶ月以上待つことになっていましたが、急なキャンセルが出て、そこに入れてもらう事になりました。
若かった事もあり、手術は8時間程で終了し、腫瘍も全部摘出できたとの事。
手術の様子もビデオで見せてもらったし、取り切った腫瘍のホルマリン漬けも見せてくれました。
(全摘できたことに、医師は大変満足そうだった)
で、術後の様子ですが、母はまるで別の人格を持ったかのように、元気になりました。
あんなに覚束なかった足取りはシャキシャキとし、スローになっていた喋りは100倍の早口に。
よく喋りよく動き、お小言やグチも健在となり、それまでの1年間がまるで嘘の様です。
しかも、痩せた。
脳の浮腫みがなくなったと同時に、身体の浮腫みも無くなったかの様。
脳にできた腫瘍ひとつで、運動機能だけではなく、言葉や人格までもが変わってしまう事や、それまでと違う何とも言えない違和感を、私はその時学習したと思ってました。
でも、25年後、腫瘍は再発。
母の年齢が上がった事もありますが、状態は当時よりも悪化。
でも、おかしいとは思いながらも、やっぱり早くに気づかなかったのです。
ましてや、毎日のように顔を合わせている兄弟は、状態が徐々に悪くなっていくため、私よりも変化に気づきませんでした。
下手に近くにいると、変化には気づきにくいのかもしれません。
次回は、2回目の母の脳腫瘍の様子について書いていきます。
続く。
このシリーズのまとめや第二話はこちらのリンクを開いてください。
★第1話
★第2話
★第3話
★第4話
★第5話
★第6話
★第7話
★第8話
★第9話
★第10話
★第11話
★第12話(最終回)