母の手術延びる!家族の予定が全て狂ってしまう。何故、手術が延期になったのか【実録・母の脳腫瘍10】

母の手術延びる!家族の予定が全て狂ってしまう。何故、手術が延期になったのか【実録・母の脳腫瘍10】

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こんにちは、かたせうみです。

脳腫瘍の母と実家の様子を見に、実家へ帰って一週間。

北海道へ戻る日がやってきました。

私が帰郷した時には、手術の日程はまだ先とのことでしたが、急変により、この一週間で状況は急転直下。

風雲急を告げ、日程は早まっています。

手術は来週だけれども、付き添いは妹や弟がするし、術後はしばらく入院だから、私ができる事はありません。

有休も使いこんじゃっているし、予定通り夜の便で帰ろうと、荷造りを始めたその時、実家の電話が鳴りました。

おっと、出ようと思ったら、父が珍しく受話器を取っている。
(父は、耳が遠いので、ベルがあんまり聞こえないのに加え、自ら電話に出る習慣がないのだ)

なんか・・・、神妙な顔でハイハイと聞いている。

もう、超嫌な予感・・・。

これまでの記録に興味がある方は、こちら⤵をクリックしてご覧ください。

母の脳腫瘍の記録まとめを開くを閉じる

第1話

第2話

★第3話

★第4話

★第5話

★第6話

★第7話

★第8話

第9話

第10話

第11話

★第12話(最終回)

脳腫瘍の手術は、数日延期!それにより、日程が狂うどころか、更に病院に呼ばれる!

父

なんか、ママの手術が延期になったぞ。

腫瘍が大きいから、処置をするらしい。

それで、その説明のために、◯日に病院へ来いって連絡だった。

えええええ!?

マジで?!

父はちゃんと話を聞いていたようだが、これは、もう一度病院に電話して、日程や時間を確認しないとまずいな。

それにしても、第一連絡先は、弟の携帯にしていたのに、家にかかって来るとは・・。

いや、別に家にかかって来てもいいんだけれど、父が電話を取ると不安要素が多いんだよな・・。

弟にLINEしてみたら、すぐに返信は来たけど、「聞いてない」という事。

取り敢えず、もう一度病院に電話してみる事に・・。

後ろでは、既に妹がイライラ状態になっている。

怖い・・。

そんな訳で病院に確認してみた所、こんな感じの内容だった。

● 入院後、造影検査をしたところ、腫瘍に入り込んでいる血管が予想より多く、手術時の出血が予想されるので、手術前に血管の処置をしたい。

● 血管の処置をするために、本手術は3日程延期にし、前日に血管の処置を施したい。

● 手術は◯日に延期。その前日に血管処置の手術。今回の経緯の説明をするから、◯日の◯時に病棟へ来て欲しい。

との事。

まとめてみると、母の腫瘍が大きいから、予定してた日より4日ばかり手術が遅れる上に、前日になんか処置をするから、この日も付き添いが必要って事だ。

手術の時は、連絡がつけば院内のどこにいてもいいんだけれど、必ず病院内に誰かが待機していなきゃいけない。

で、更に、今回の経緯の説明があるから、その前に病院に来い、と。

手術延期の説明日は、母の元々の手術日の前日で、麻酔科医の診察で呼ばれている日だった。

一遍に済むように、この日にあててくれたんだろうか。

因みに、麻酔科医からの説明と診察の日程は変わらず。

ただ、執刀医の説明が午前中なのに、麻酔科医の説明が、午後3時近くなんだよね・・。

まぁいいや。

しかし!

手術の日程に合わせて、弟も妹も予定を繰り合わせており、これが変わるとなると大混乱。

弟にしても、手術日が空くよう商談などの予定を組んでいたようだし、妹に至ってはもう、口から火の出る勢いでブチ切れている。

実は、今日まで書かなかったが、妹には息子が二人おり、長男は高校3年生で、受験の真っ最中であり、今まさに、共通テストの直前なのだ。

共通テストが終われば私大の受験がやってきて、国公立志望であれば、更にその次に二次試験がやって来る、正に正念場。

受験の時に親ができる事なんてないでしょとお思いかもしれませんが、WEB出願の支払いや、その後の願書郵送等、割と細々とした雑務が、親にはあるのだ。

『もう18歳なんだから、そんなの子供にやらせろ。』という人もいるかもしれませんが、気を揉みながらそんな雑務を子供にやらせるくらいなら、自分がやるからその時間で単語のひとつでも覚えてくれよ。

というのが、正直な親の気持ちですよ。

という訳で、妹のイライラはマックス。

私は無理だからね!!!

行けないから!

と、烈火の如く怒っている。

ここで、「龍の逆鱗」と書かなかったのは、龍神様に大変失礼だからだ。

さらに

もう!

あんた(私の事)はどうせ今日帰るんでしょ!?

とか言ってきた。

ちょっと、ひどくなぁ~い??

マジでひどくない?

妹は今まで、実家の近所に暮らしてきて、その恩恵を享受し、散々甘ったれた生活してきたくせに。

くそっ!

しかし、面倒事が嫌いな私は流した。

面倒事はゴメンだよ。

弟は、「いざとなったら何とかする。」とは言っているけど、同じ社会人の身として、可哀想だな・・。

それに、「俺は今まで母の為に、何日も会社を休んでるんだぞ。」みたいな感じも、鼻につく。

私は、粛々と叔父や伯母などに連絡を入れたが、もう、どうにもならないので、職場の上司に連絡し、飛行機をキャンセルし、もう一週間休暇を貰う事にした。

(後々にかかりそうな)面倒事は、ゴメンなんだよっ!!

この時代、親の危篤や介護で休暇を取る人間は結構多いので、この件での休暇は、なんとなく「お互い様」的な空気が、我が職場にはある。

ちょっと前だったら、考えられないな。

時代が変わったという事だろうか。

まぁ、私全然重要な仕事もしてないんだけど。

主治医増える!手術の延期の説明とは?

という所で、私のターン。

カード「有休消化と自己犠牲」を使い、休暇を延長。

カードの効果により、通院、手術の付き添い交代が起こった。

尚、このカード使用による、私自身への強化や恩恵は一切なく、「恩を着せる」という類の効力も、残念ながら一切発動しない。

そんな所で、手術延期についての医師の説明が本日だ。

いつもの病院に、妹と父と私で登場。

電話で何となく説明を聞いたので、もう聞かなくてもいいやくらいの気持ちだが、医師にも説明義務があるんだから仕方がない。

医師からの説明は、こんな感じだった。

執刀医執刀医

入院後、数度の造影検査を行ったのですが、思ったより腫瘍に血管が入り込んでいて、手術がスムーズにいきそうにないんですね。

手術は顕微鏡で確認しながら進めるので、出血が起こると術野が見え辛くなり、うまく進まないことが考えられます。

うんうん。

母は20年前にも脳腫瘍の手術をしているので、大体説明は分かる。

何となく、腫瘍って、脳の中とか胃とか腸に、ピンポン玉のようなものが出来て、それをツルッと取れば終わりみたいなイメージだけど、実際は、そこにある神経や血管を巻き込んで、癒着してしまっているのだ。

それで、巻きこんだ血管から栄養を吸い上げて、腫瘍はどんどん大きくなる。

・・・て、漫画『アンメット』で読んだぞ。

それを、剝がしながらうまく手術を進める事ができる人間が、ゴッドハンドと呼ばれたり、あの、「私、失敗しないので。」と呼ばれる先生だったりするのだ。

多分。

執刀医執刀医

それで、手術前日に、血管を止める施術を行います。

ここまでで、質問はありませんか?

医師の説明は、だいたい電話と同じ内容だったが、そこには入院後に撮影された、CTやMRIの写真が追加されていた。

さて、ここで、「脳の血管を一部止める」という事について、一抹の不安があります。

脳の血管が詰まると、脳梗塞になりますよね。

それって、脳梗塞と同じ状態にするっ・・、てコト?

すかさず私は質問。

え~と、すいません。

脳の血管を止めると聞くと、脳梗塞と同じなんじゃないかと素人は思うわけですが、大丈夫なんですか??

ああ・・、いい質問ですね(学校か?!)

ご心配御最もです。

脳には血管がたくさんあり、脳梗塞の危険性があるのは、この辺の(CT写真を指差しながら)太い血管なんですね

今回は、細い血管を止めるので、それ程心配しなくても大丈夫ですよ。

との事。

更には

この施術については、熊(仮名)先生が担当するので、今話を・・・。

あれ?

熊先生は??
(余談だが、熊先生というのは、その風貌が熊に似ているので、後に私が勝手につけたあだ名だ)

あ・・、今手術中です。

予定が11時頃までなので・・・。

ああそう。

すみません、今、熊先生は手術中なので、後で連絡しますね。

院内でお待ちください。

・・て、おいコラ!

知らない間に医師がひとり、増えているじゃぁ~ないか!!

術前処置は、鼠径部からカテーテルを通す、血管外科手術だった

説明はよくわかりました。

現在午前10時30分。

熊先生の手術は11時30分まで(予定)。

当然遅れる事を見越して、呼び出されるのは、早くとも12時30分は過ぎるだろう。

私達は、院内のレストランでひとまず食事をした。

もちろんお金は父に出してもらう。

妹

前日に施術って・・。

もしかして、「開けっ放し??」(一度開頭し、そのままにしておくという意味)・・、とか

と、妹は恐ろし気な事を宣った。

んな訳ないだろうが!

薬かなんかで止めるんじゃないの??

そんな話をしながら食事は終了。

母の術部はもちろん開けっ放しのはずがない。

後に、熊医師から聞いたところによると、血管カテーテルを鼠径部から通し、脳の術野まで到達させ、薬で血流を止めるとの事だ。

この辺り、先日読んだ『アンメット』と全く同じ事を言っているのでびっくりぽん。

このやり方は、割と最近の技術らしい。

最近の漫画もドラマも、本当によくできている。

と言っても、漫画『アンメット』の原作者は、元脳外科医だ。

医学の進歩は、すごいねぇ。

それにしても、鼠径部から脳まで、カテーテルを通すって言ったって結構な距離があると思うんだけど、そこを手探りというか、技術で進めていくんでしょ?

とても繊細な技術が必要だと思うのだけど、すごいよね~。

あんなに熊みたいな風貌なのに、そんな事ができるなんて。

あ、この「熊みたいな風貌の先生」については、別の記事に書いたことがあるので、興味のある人は、読んでみてね。

所で、漫画『アンメット』で読んだ部分では、血流を止めるのに、テグス的なものを使っていたけど、今回の説明では「薬」と言われた。

色々あるのだろうか・・。

それとも、素人用の説明なのかな??

まぁ、いいや。

色々聞きたいことはあるんだけど、ブログネタにできるような質問て、聞けるタイミングを逸しちゃうんだよね、忙しそうで。

例えば、十数時間に及ぶ手術の時って、休憩しているんですか??

とかね。

そんなこんなで、メイン執刀医と、血管外科手術の説明終了。

次は、14時30分からの、麻酔科医の診察と説明だ。

もう、疲れたから、父には上手く言って妹に連れて帰ってもらおう。

妹は、そもそもそんなに医学的な事に興味はないみたいだし、父は、せめて夫の責務を果たそうと、最大限同席しようとしているが、元々父と折り合いの悪い私の息が詰まるので、妹に連れ帰ってもらう。

最早、父が話を聞けば万事解決という状態ではなく、父が話を聞く場合、もう一人誰かいないと覚束ないのだから、ここは私一人の方がいいだろう。

気楽だし。

私は優雅にカフェでお茶をし、時間を潰した。

麻酔科医の診察と説明。特筆するものはないが、母と対面

さて、時間となり、呼び出されている病棟へ向かう。

今日は、麻酔科医の説明と聞かされていたが、母の診察もあったようだ。

看護助手に伴われ、車椅子に乗った母登場。

あれ~~~、母を連れて診察があるなら、父と妹には残ってもらった方がよかったのかな??

二人とも、母に会いたかったかもしれないな。

などと思いつつ、母と対面。

母は私の顔を見るなり

母

K一(弟の名前)と連絡がつかないのよ。

と言った。

はぁ??

知るかそんな事。

久々に会った娘の顔を見て、弟の話か??!

全く面白くない。

私は、「ああ、そう。」と、またも適当に流し、麻酔科の前で番号を呼ばれるまで待機。

ここに妹がいたら、後で酒の肴に2人でブチ切れる所だが、今は私一人なので、この事は黙っておいて、母が元気になったらジョーカーカードとして切る事にしよう。

私だったら、死ぬ間際にこんなカードを娘や息子に切られたら泣いちゃうけど、この人はどうだろうね。

と思うけど、私についても、娘や息子は、本当は思う所があるのかもしれない。

しかし、こんな事も母は全く覚えていないのだから、おめでたい話だ。

なんてブログの文章を考えていた所に、看護助手(または病棟介護士)は、「あとは宜しく」と去っていった。

やはり介助は、身内の仕事か・・・。

がっくり。

程なくして呼ばれる番号。

診察室への入室。

麻酔科医の話は、手術の日程の確認と、アレルギーや既往症の確認のみであった。

しまいには、電子カルテを見ているにも拘らず、「あ、明日手術ですね。」としれっと言った。

危ない!!!

!!

手術は延期になってます!!

明日じゃありません!

確認してください!

これには、さすがの私も強い口調で詰め寄った。

麻酔科医は

「あ・・、ごめんなさい、本当だ。」と言っていたが、大丈夫か?この病院。

そんな中、母は自分の寝巻の裾を、チョリチョリといじっていた。

続く。

次回予告!

遂に手術!

手術は2日連続で超消耗!

みたいな感じです。

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