認知の低下している父と、断捨離の難航【実録・母の脳腫瘍5】

認知の低下している父と、断捨離の難航【実録・母の脳腫瘍5】

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母の痴呆が始まったと思ったら、実は脳腫瘍で、それに伴う家族のドタバタや経過を記した第5回。

今日は、介護認定調査員がやってきます。

これまでの経過やストーリーは、こちら⤵に纏めてあります。

良かったら読んでください。

母の脳腫瘍の記録まとめを開くを閉じる

第1話

第2話

★第3話

★第4話

★第5話

★第6話

★第7話

★第8話

第9話

第10話

第11話

★第12話(最終回)

粛々と進められる断捨離を、難航させる敵がいる

母の状態が悪すぎて、少なくとも2月の下旬と言われていた、母の入院、手術が急遽決まり、若干バタバタしている我が家。

まずは、介護ベッドを置くために、既にあるベッドを処分したいのだが、父はベッドの処分を渋っていた。

実は、両親の部屋には、20年以上使用している、キングサイズのベッドがあるのだ。

これを、夫婦仲良く使っているのかと思いきや、父だけがそれに寝てんの!

母は、布団。

もう、ムダムダムダ!!

部屋なんて昔の本間サイズとは言え、たったの6畳なんだから!

しかも、そのベッド、妹のお下がりだからね。

妹が捨てると言っていたので、貰ったんだとか・・・。

で、今は母の体調が悪くなったので、ベッドを母に譲っているのだが、普通のベッドじゃ抱き起こせないし、無駄に大きいから、導線を妨げて、母のお世話が大変なのだ。

そんなこんなで、実家のスリム化のためにも色々処分したいのだが、テレビを捨てるのも、スピーカーを捨てるのも一苦労。

つい最近まで、もう映らないし、誰も見る事はないのに、捨てられず、100インチのテレビがひっそりと埃をかぶっていたのも記憶に新しいし、何なら今ではその後取り替えた、妹宅の40インチのテレビが更に奥にしまわれている。

私が嫁に行くときに捨てたと思われる籐のチェストですら、いつの間にか父が使ってるからびっくりぽん。

さらに、使えなくなった小型の冷蔵庫まで、未だに台所に堂々と置かれている。
(その昔、使えなくなったものの、勿体ないからと、父はそこにお酒をしまっていた)

何故、あっても仕方のないものを、捨てられないのか・・。

だって、もう、テレビなんて映らないんだよ。

おじいさんの古時計なら許せるけれど、今はもう映らないテレビだからね。

そんな感じで、父は色々なものを溜め込んでいるんだけど、勝手に捨てると猛烈に怒るから、細心の注意を払って事を進めなければならないのであった。

先日も、妹が押し入れを整理していた所、いじってもいないものを捨てられたとかで、父は烈火の如く怒ったらしく、大変に妹の不興を買っていた。

実は、その「大事なもの」は、父が自分で移動させて仕舞いこんでいたのだが、妹によると、父はそれをすっかり忘れていたというのだ。

それで、怒った妹は暫く実家にも行かなかったし、父の事はシカトしていたという事らしい。

父は、そもそも偏屈なうえ、勿体ない星人で、物を捨てるのを嫌うし、紙袋などを溜め込みがちで、私がビールを残すのも凄く嫌う(今は残さないけど)。

そして今や、認知の低下で、お菓子のゴミとか鼻をかんだティッシュ以外は、何もかもを捨てられないらしい(妹情報)。

これも認知症だよ!

とか妹は言っていたが、妹は言い方が凄くきついし、ちょっとネトウヨみたいな人間なので、認知症の部分は若干盛られているんだろうけど、老人を十把一絡げに認知症にしてしまうあんたも大概だよ。

という感じで、話は戻るが、父が近くにいると、大きいものを捨てるのが、とても厄介な事になるのだ。

ある事は忘れているくせに、まとめたゴミ袋を見つけては、物凄く文句を言うから手に負えない

ビールの件は私にも反省する点はあるのだが、それにしても、虫に食われた服ひとつ捨てるのも、『なぜ捨てるのか』を詳しく述べ、納得させなきゃいけないのだからとっても難儀だ。

で、それをしても、山となったゴミ袋を見つけては、なぜ捨てるのかと文句を言うからゲッソリだ・・。

ベッドの件では、既に妹が何回も説明しているはずなのに、今日、ベッド周りを片付けてたら

なんだ、何で片づけてるんだ??

などと言っていて、再び妹にぶち切れられていた。

断捨離途中、とんでもないものが見つかる!

さて、今回の私の2週間の帰省では、結局断捨離は終了せず。

母はまだ退院していないのだけど、一体全体どうなったのかなぁ・・?

ところで、母がいる間にある程度衣料などの断捨離をし、昭和20年代からあるであろうタンスの処分などをし、入院後は、納屋や納戸で放置されている負の遺産を処理していたが、まぁ~~~、出てくる出てくる。

既に、数十年前に亡くなった、同居していた父方の祖母の免状なんか出てきたけど、何故、祖母が亡くなった時に母は処分しておかなかったのか?

こういう、何となく捨てるのに忍びないものは、棺桶と一緒に燃やしとけ!

更に、祖母の食器や桶や樽。

そんな中に、ネズミの糞や、ゴキブリの羽等がごっそり紛れている。
(ゴキブリの羽しかないのは、本体はネズミが食べたからだよん)

私と妹は、ワーワー言いながら、片っ端からゴミ袋に詰め込んでいったのだが、これって、母方の祖母が亡くなった時に、母と伯母があれこれ言いながら、祖母の遺品を片付けていた時と、ちょっと似てるなと思った。

縁起でもないけど思い出したので、片付けながらそんな話を妹にしたところ、妹は、渡る世間に出てくるような感じで、おばさんらしくウケていた。

ネズミの写真
実際のネズミは、こんなかわいいもんじゃありません!

『ネズミがいるなんて、一体どんな家かしら??』

と思う方もいるかもしれませんがね、ネズミって、意外と普通の家にもいるんですよ。

まぁ、うちは昭和の古い日本家屋だけれども、ある日、突然電気がつかなくなって、電気屋に見てもらったら、線が鋭利な刃物で切られている・・。

なんてことがあったら、それはネズミの仕業です。

年を取って免疫が低下すると、ネズミにかじられて感染症をおこし、死に至る事もあるのだから、今後はもっと気を付けなければなるまい。

それにしても何故、母はゴミが有料化される前にとっとと捨ててくれなかったのか・・・。

母

おばあちゃんが亡くなった時に、片づけようと思ったんだけど、面倒すぎて全部納屋に突っ込んだの。

と母は言っていたらしいが、全く、本当にいい迷惑だよ。

で、片付けを決行していた所、父が使っている小さな引き出しから、ちょっとワイルドな果物ナイフが出てきた。

普段使っているものだから、特段気にする程じゃないかもしれないが、母がこんな状態で、父は、役に立たないとはいえ老々介護中。

疲れた父が、これで母をなんとかし、自分も・・、などと、ありがちながらも無いとは言えない事を想像してしまった私は、思いがけない不慮の結末を避けるため、妹と相談し、とりあえずそのナイフは隠すことにした。

そして、父に聞かれたら、妹が借りているという事で、口裏を合わせる事とした。

で、各引き出しを片付けている妹から

これを見て!!!!!

と呼ばれた。

そこにあったのは、なんと、父の名義でも、母の名義でもなく、妹と、妹の夫名義のクレジットカード!!

え?

なんで?

他人名義のカードなんて今時そんな簡単に作れないだろうに、一体全体、何故そんなものを・・・??

カードは普通の流通系のものだったが、恐らく、勧められて、娘名義と娘の夫名義でカードを作ったのかもしれない。

けど、怖すぎる、ありえない・・。

いったいどの口座に紐づいているのかさえ分からない。

(銀行口座の登録はしていないのかもしれないけど)

これがいつ作られたものか、母がまともな思考で作ったものなのかも謎なんだけど、母は意外とこういう事を勝手にやっちゃう人なんだよね。

母

お友達のお付き合いで保険に入るんだけど、うみの名義で入りたいのよ。

お金はママが支払うから、診断受けてサインして??

とか、平気で言ってくる。

この時は、私もかなりの勢いで拒否したが、母にはその時「随分疑い深く育っちゃったわねぇ・・。どうしてかしら??」等と言われ、超不快な思いをした記憶がある。

こんな話を職場でしたら、周囲は皆青ざめて、『明日は我が身・・』な顔をしていた。

クレジットカードの件もあり、入院直前の断捨離でも、母は、妹に物凄く叱られていた。

・・、でも、多分覚えていないのだろう・・。

そうそう、棺桶といえば、父の勤続◯年とか、色々な感謝状や賞状的なものも出てきたんだけど、それを今捨てるのは可哀想だから、来るべく時に、棺桶に入れてやろうという事で、妹と意見は一致した。

入院前日、介護認定調査員がやって来る

そんなこんなで、母の入院は翌日に迫っていた。

入院前日は、母のPCR検査があり、午前中はいつもの病院に連れて行って、11時ごろに家族は帰宅。

午後は、弟が手配していた、市の介護認定調査員との面談が入っていた。

午後から仕事だとかで、弟は

今日、市の人が来るから。

爺さんと婆さんだけにしとくと、何でも「ハイハイ」言って大変な事になるからよろしく。

と言って出て行った。

ここで超簡単に説明しておくと、「介護認定」とは、介護保険を使うために、申請者がどんな状態なのかを、専門の調査員が施設や自宅を訪問し、確認していく作業である。

介護の必要性は数値化されていて、要介護度が高いほど、高価な支援を受ける事ができる・・んだったと思う。

そう、デイサービスとかリハビリとか、ヘルパーさんに来てもらったり、介護ベッドのレンタルやタクシーとか、そういう事に保険がきくようになるのだ。

高い介護度が取れれば、使える金額やサービスも変わってくるので、ここで、両親に見栄を張ってもらっては困るのだ。

という事で、今日は父の認定と、母の認定ダブルである。

父は脳梗塞の時に「要介護1」の認定が出ていたが、特に何のサービスも利用せず、更新もしていなかったので、期限が切れていたのだ。

父はプライドが高いので、デイの利用やリハビリは絶対しないと言い張り、自宅で勝手に療養していた。

脳梗塞で倒れた時も、帰る帰ると大騒ぎして、病院から「迎えに来てください。」と言われるほどの人なので、我が家がどれくらい苦労したのかは、察していただきたい。

全く、幸いそこまで状態は悪くなかったのが救いだが、もっとしっかりリハビリしていれば、今の状態よりもマシだったであろうに、母の腫瘍が大きくなったのは、あんたのせいだよ。

さて、ここから地域の包括センターからやってきた、認定員(主に、ケアマネ(介護支援専門員が現在の正式名称)さんや、保健師、看護師さん等が行う)とのやり取りとなりますが、それはまた次回という事で。

続く。

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